オーバーツーリズム時代だからこその京都の楽しみ方を再発見。――「京都ラグジュアリーホテルステイ」
観光客で溢れ、ホテルやレストランは予約が取れず、交通機関が麻痺する……。そんなオーバーツーリズムの象徴のように語られる京都ですが、そこに残る文化や風土は他の都市では体験できないものであるのもまた事実。
そこで、現代の京都を楽しむためのヒントを全3回のコラムシリーズでお届けします。鍵を握るのは、ラグジュアリーホテル。庭園、文化体験、スパなど、オーバーツーリズム時代の観光を豊かにするポイントをご紹介します。Vol.2となる今回は、文化体験プログラムと、時間帯別の楽しみ方にフォーカスします。
Vol.1はこちら
ラグジュアリーホテルが提案する文化体験 ――見物ではなく“習う”。消費ではなく“継ぐ”
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ラグジュアリーホテルが備える京都らしさは、庭園だけではありません。観光地に出向かずとも京都文化を体験できるプログラムも用意されています。どれも第三者として“見る”体験ではなく、当事者として“習う”体験です。
HOTEL THE MITSUI KYOTOでは、最高峰の西陣織ブランド「細尾」の着物を纏う体験や庭園に面した縁側での瞑想セッションなど、京都の歴史的背景を活かしたプログラムが揃っています。文化の息遣いを感じる時間は、日常では味わえない安らぎをもたらします。
ザ・リッツ・カールトン京都では、職人の工房を訪ねる伝統工芸のワークショップや和菓子づくり、鴨川沿いを走るサイクリングなど、文化と自然をつなぐ多彩なアクティビティを体験できます。多世代で参加できるよう工夫されており、家族で“静けさを共有する旅”が叶います。
嵐山の翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル京都は、よりローカルな体験を得意としています。和職人との交流を楽しめる少人数制プログラムは、旅に深みを与える人気のアクティビティです。嵐山ならではの豊かな時間を提案しています。
そして再び東山。フォーシーズンズホテル京都では、庭園に面した茶室「積翠亭」での茶道体験や、生け花、金継ぎ(きんつぎ)のワークショップを開催しています。金継ぎは、割れた器を漆で継ぎ、金粉で装飾して蘇らせる日本の伝統技法です。欠けを美として受け入れる精神は、京都の美意識を象徴しています。華やかさよりも、静けさの中に宿る深みを感じられるプログラムです。
時間を味方にする観光 ――“どこに行くか”より“いつ行くか”が体験の質を左右する

混雑を避ける一番の方法は、“行く時間”を工夫することです。時間帯を変えるだけで、同じ場所でも雰囲気は大きく変わります。昼間の賑わいと、町が目覚める前の早朝では、見せる表情がまったく違うのです。
特に清水寺や東山界隈は、開門直後の静けさが格別です。フォーシーズンズホテル京都では、専属の人力車による東山エリアの朝散策が可能です。朝霧の中、まだ人通りの少ない三年坂を抜け、朝陽に照らされた清水寺を望む光景は、昼間では出会えない“もう一つの京都”です。
主に春や秋の期間限定ではありますが、清水寺や高台寺、青蓮院の夜間特別拝観もいいでしょう。光と影がつくる世界は幻想的で、池に映る灯籠の明かりや紅葉を照らす柔らかな光が、喧騒の昼を忘れさせてくれます。静かに歩けば自分の足音だけが響くような特別な時間を過ごせます。
パークハイアット 京都は、その“時間の移ろい”をホテル内に取り込んだような設計です。高台寺のすぐそばに位置し、館内からは八坂の塔を一望できます。夕暮れには塔のシルエット越しに東山の街並みが茜色に染まり、外に出ずとも夜の京都を感じられます。
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次回コラムでは、観光疲れを癒やすウェルネス体験の魅力に迫ります。ぜひご覧ください。