再注目される”白馬”に見る、山岳リゾートの現在と未来
長野県北西部、北アルプスの麓に広がる白馬エリア。スキーや登山の目的地として古くから知られてきた場所です。長年親しまれてきた観光地であるがゆえに、どこか「昔ながらのリゾート」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。しかし近年、その価値が改めて見直され、国内外で再び注目を集め始めています。
変わらない魅力と、新しい魅力。白馬が辿る、山岳リゾートとしての進化の道

再注目されている白馬ですが、その魅力が大きく変容したわけではありません。最大のアピールポイントはこれまでと変わらず、豊かな自然環境です。白馬三山をはじめとする標高3,000メートル級の山々が連なる北アルプスの景観は、日本の中でも特に雄大なもののひとつ。古くからスキーヤーに愛されてきた質の高いパウダースノーも健在です。
また、アクセス面で恵まれている点も、昔同様です。首都圏からは新幹線や特急、高速バスなどを利用して訪れることができ、週末旅行の目的地としても現実的な距離です。名古屋や大阪からも鉄道や車でアクセスしやすく、日本の主要都市から訪れやすい立地と言えます。
変化があったのは、この大自然の恵みをより積極的に活かそうとする取り組み。近年、冬だけに依存しない通年型リゾートへの転換が進んでいます。グリーンシーズンの観光資源を磨き上げたことで、夏から秋にかけても多くの旅行者が訪れるようになりました。白馬岩岳マウンテンリゾートで夏季の来場者数が冬期を上回るなど、新しい観光の流れが生まれています。
また、近年は海外からの宿泊客も大きく増加しています。白馬村は国連世界観光機関が選定する「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」にも選ばれ、自然環境や地域文化を守りながら観光振興を進める地域として世界から評価されています。
このように、以前からの魅力を残しながら新しい魅力を獲得することで、白馬は今、新しいリゾートとして再評価され始めているのです。
今までなかったタイプのホテルが開業。その後も続々と進む開発プロジェクト

注目度の高まりは、活発な開発にも表れています。白馬駅周辺では再整備が進められ、観光拠点としての利便性向上が図られています。また、宿泊施設の質も徐々に変化しつつあります。
これまで白馬には、歴史ある旅館や大衆向けホテル、ペンションなどが数多く存在してきました。そうした素朴な山岳リゾートの雰囲気も白馬の魅力ですが、近年はそこに新しいタイプの宿泊施設が加わり始めています。
その象徴ともいえる存在が「ホテル ラ ヴィーニュ 白馬」です。全国で個性的な宿泊施設の運営・プロデュースを手がける温故知新が運営するこのホテルは、北アルプスの自然と洗練された滞在体験を融合させた施設として注目を集めています。長く親しまれてきた山岳観光地に、こうした新しい価値を持つ宿泊施設が誕生したことは、白馬が次のステージへ進みつつあることを象徴する出来事と言えるでしょう。
現在も複数の開発プロジェクトが同時に進んでおり、その街並みは現在進行形で変化しています。古くから親しまれてきた観光地でありながら、その魅力が改めて見直され、投資の動きも活発になり始めているのです。
雪の季節も、雪のない季節も。活動的にも、ゆったりも。広がる楽しみ方の選択肢

最後に、現在の白馬の楽しみ方をご紹介します。
改めて紹介したいのが、スキーです。白馬は日本を代表するスキーエリアのひとつですが、近年、より快適に楽しむためのインフラ整備が進んでいます。「HAKUBA VALLEY」と呼ばれる広域スキーエリアでは、10か所のスキー場が連携。各ゲレンデはシャトルバスなどで結ばれ、滞在中にさまざまなスキー場を巡ることができます。
続いてグリーンシーズン。雪のない季節には、北アルプスの雄大な自然を楽しむ山岳リゾートとして、多彩な楽しみ方があります。トレッキングや登山、マウンテンバイクなどのアウトドア体験のほか、熱気球係留体験など、自然を身近に感じられるアクティビティも充実しています。さらに、白馬には温泉も点在しており、湯に浸かって疲れを癒やすこともできます。
四季折々の自然を鑑賞できるスポットにも恵まれています。八方尾根の八方池は、水面に映る北アルプスの山並みが美しいことで知られる絶景スポットです。田園風景の中に佇む大出公園では、吊り橋や茅葺き屋根の古民家と北アルプスの山々が織りなす、日本らしい風景を楽しめます。また栂池自然園では、高山植物が咲き誇る湿原を散策できます。
雄大な自然という普遍的な資源に、新しい施設やアクティビティが加わることでその魅力を増している白馬。長年親しまれてきた山岳リゾートが、いま改めて注目を集めている理由は、こうした変化の中にこそあるのかもしれません。